気がつくと、夜に虫の声が聞こえてきてます。
ずっと最近の作家の本ばかり読んでいましたが、ふと「伊豆の踊り子」を読んでみたくなり、久々に純文学を読みました。
一行目からやられました・・・!!
『道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追ってきた。』
さすが名作、なんていう出だし!
一瞬にして情景が浮かんで、その場にいるような気持ちになってしまいます。
他にも川端康成の有名な出だしは、
『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。』 「雪国」より
これも映像が浮かんできますね。
私は想像力が貧困なタチで、読んでいても情景はほとんど浮かんでこないんです。
かなり読み進まないとハマってこないので、本を読むときは冒頭が苦痛に感じることがあります。
そんな私でさえも一瞬にして映像が浮かぶような一文からはじまる川端康成の文章のすごさを今さら実感しました。
全体を通しても美しい日本語で情景や人物や感情を素晴らしく書き表しています。
読後、ものすごく心が洗われた気持ちになりました。
学生のころ読んだ時にはとくに何も感じなかったのに、大人になったんですかね(笑)
宮田歯科三田診療所 相良
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