宮田歯科三田診療所 宇井です☆
先日、2/10~2/14にかけてマニラに行ってきました。
目的は。。。。『ボランティア』です。
ボランティアと言われても何のボランティアかピンとこないとは思いますが、フィリピンのマニラの郊外で、歯科治療を十分満足に受けられない人に奉仕活動の一環として歯科治療をする。というものです。
私は3年前にも同じようなボランティアに参加しました。その時はセブ島の郊外でした。
今回のマニラはライオンズクラブ国際協会が毎年主催している合同医療奉仕活動だったので、歯科以外にも内科や眼科などが参加していました。
ライオンズクラブの方、医師、歯科医師、看護士、歯科衛生士など含め総勢217名が参加し、とても大きな活動になったと思います。
マニラでは2班に別れ、各地の配属の地域に行くのですが、私たちは1日目はバターン州のバランガシティへ、2日目はリザール州のカインタというところへ行きました。
バランガシティは片道3時間程度、カインタは片道2時間程度のところにあります。いずれも私たちが旅行で行くような馴染みのある洗礼されたリゾート地と言えるような場所とは程遠い所でした。目的地に到着しても、観光客といえるよな人はもちろん居ませんでした。
ただ毎年このボランティアに参加している先生たちいわく、今年の場所はまだ綺麗なところだな。なんてことをいっていたので、まだまだ想像できない所があるんだなぁ。。。と考えさせられる思いでした。
歯科治療は、施設や高校と場所を借り、日本から持ってきたトランクやダンボールに詰めた歯科器具や薬、材料などを机に広げ、消毒も薬液消毒のみでおこないます。
日本の様に綺麗な場所と揃った器具が用意されているわけではないので、必要最低限の環境下、到底考えられないような状況の中で治療は行われます。
まず、ユニット(治療の椅子)の代わりにパイプ椅子を使います。口腔内を見るライトもない。代わりに携帯用の小さな懐中電灯。。いかに今までが恵まれた状況下で治療が出来ていたのか。。。ということを痛感します。自分のやりやすい位置で口腔内が見れない上、光が届かないため更に視野が制限されます。ただ、それでも治療を求めてきている患者さんに、言葉は通じなくても不安にもさせないため、今までと同じような治療を提供することは、かなりの集中力を要求されました。治療内容は主に抜歯です。このような発展途上国だと歯を保存するよりもボランティアで無料で歯を抜くことのほうが治療費がかからない。というのを理由に小さな子供から大人までもが虫歯の歯を抜くことを希望します。
抜歯後はどうなるかと言うと、義歯をいれる人はほとんど居なく、そのまま放置。というのが現状のようです。ただ日本人よりは歯根の長さが1.5倍程長いため歯周病になっていてもなかなか抜けにくいようです。
←←今回一緒に参加した同期の皆葉先生☆
麻酔中です。
2日間で歯科が受け持った患者数は合計1200人程だったそうです。
私は今回の、なかなか体験できない経験で多くのことを学んだ気がします。
言葉にすると簡単でありきたりな物になってしまいますが、今まで私が居た歯科の世界観では一部分しか見えていなかった事がたくさんありました。日本の医療との比較や人間性、経済状況から生まれる価値観の違い。その中でも医療は世界共通であり、その場所や地域性に合った治療を提供する。最初は戸惑いの方が大きかった私ですが、自分の中の妥協と適応をうまく使い分け切り替えること。メンタル的にもかなり成長できるきっかけになったと感じています。フィリピンの方たちには勉強させてもらえたので、本当に感謝しています。
そして今回指導してくださった太田先生、そして貴重な体験を提供してくださった皆葉先生、人見先生、坂口先生、ありがとうございました!!!
今回の経験は宮田歯科に持ち帰り、しっかり反映できるように今後ともがんばります!!
2011年2月24日 カテゴリ:旅行・地域, 歯科医療