弘進会宮田歯科三田診療所 医長 冨川です。
以前から弘進会は、歯科としての社会貢献を目指して、毎年虫歯予防デーやクリスマスにもキャンペーンを行っており、昨年には東日本大震災の被災地支援に繋がる取り組みも行ってまいりましたが、
この度、平成24年2月6日より4月30日までの3か月間、
本院(北品川診療所)と三田診療所にて、児童養護施設で暮らす子供と巣立つ子供を支援する
「タイガーマスク基金(http://www.tigermask-fund.jp/)」
と協力して「タイガーマスクキャンペーン」を実施いたします。
近年 ネグレクト(育児放棄)による、児童虐待の問題がよくニュースになりますね。
大阪で幼い姉弟が餓死した事件や、埼玉県で5歳の男の子がロフトの上に放置され衰弱死した事件は、かなりショッキングでご記憶に残っているかと思います。
先日大阪にて小学生の女の子が母親に刺され死亡した事件も、ネグレクトが疑われていた中での悲劇でした。
ネグレクト(neglect)とは、保護者が子供や高齢者・病人などに対して、必要な世話や配慮を怠ることを指し、保護者や親が看護を著しく怠ることを育児放棄といいます。身体的虐待とは違い、ネグレクト・育児放棄の場合、攻撃的な行動がないため 傷やあざも無く、学校や周囲も見落としがちになります。
実はこうした、目に見えにくいネグレクトという虐待の早期発見に関して、私たち歯科医師は大きな力を持っています。
正直、子供の歯みがきというのは、親にとってちょっと手間ですよね(笑)。
「子供が歯みがきを嫌がって磨かせてくれない、どうしたら磨けますか?」
というお父さんやお母さんからのご相談も、よくあります。
育児放棄は字のとおり「放棄」ですから、面倒な歯みがきなんて一番最初に放棄されてしまうわけです。
つまり歯がかなりひどい虫歯状態なのに、歯の治療痕がまったくない=育児放棄の疑いあり・・・ということです。
もちろん、虫歯が多い=ネグレクトではないです。
しかし、歯科医師会の調査でも虐待、ネグレクトと虫歯本数に相関がみられることが報告されています。
でも私たちなら虫歯が多いだけなのか、ネグレクトなのかを見分けることができ、また見落とされがちなネグレクトを、早期発見することが可能です。
児童養護施設にはその性質上、虐待やネグレクトを受けた児童も多く、
全体の6~7割になるそうです。
何年か前から、タイガーマスクの「伊達直人」を名乗り、児童養護施設にランドセルを寄付する運動が高まりを見せました。よくニュースでも取り上げられていたので、皆さんもご存じかと思います。
東日本大震災を経た今年も、何度か「伊達直人」さんが現れたようです。
私たちも歯科医師として、ネグレクトの早期発見に尽力することはもちろんですが、さらに一歩踏み込んで未来を担う子供たちのために何かできることは無いかと考え、今回「タイガーマスクキャンペーン」を実施することにいたしました。
本院(北品川)では、「クイッククリーニングコース」と「クリーニングコース」を、
三田診療所では、「15分検診コース」と「20分クリーニングコース」をご用意しました。
「15分検診コース」では、
患者様300円のご負担に弘進会宮田歯科から700円をプラス、
計1,000円にして「タイガーマスク基金」に寄付させていただきます。
「20分クリーニングコース」では、
患者様1,000円のご負担に弘進会宮田歯科から2,500円をプラス、
計3,500円にして「タイガーマスク基金」に寄付させていただきます。
「タイガーマスク基金」は、タイガーマスクの原作者である梶原一騎氏ご夫人高森篤子さんと、作画担当者である辻なおき氏ご夫人辻芙美子さんが発起人となり、児童養護施設で暮らし巣立つ子供たちを継続的に支援していこうという基金です。
私たちに一人一人にできることは、小さいかもしれません。
でも“ゼロ“ではないと信じています。
子供たちの“未来“のために、“今“できることを。
そうして、少しでも虐待の連鎖を断ち切る一助となれたら・・・と思っています。
双方の診療所の受付には、タイガーマスク基金への募金箱も設置しております。
なお、こちらの募金箱は3月末までは、テレホンカードもOKです。
児童養護施設の子供たちの多くは、高校生になってアルバイトなどをしなければ携帯電話は持てません。
まだ携帯が持てない子供たちは、学校や施設などから電話をかける際、テレホンカードを使って公衆電話を利用するケースが多くあります。
でも今私たちがテレホンカードを使う機会は、そう多くは無いですよね。
だったら集めようよ!!という
に寄付するためです。
ご自宅で眠っているテレホンカードがあったら、是非ご協力下さると嬉しいです。
宮田歯科では、これからも歯科医療を通じた社会貢献に取り組んでまいります。
よろしくお願いします。