コーヌス義歯
コーヌステクニックを用いた、入れ歯ではない義歯
コーヌス義歯とは、残っている歯に金属冠を被せ、その上から入れ歯を装着するというタイプの人工の歯(補綴物)です。
通常の部分入れ歯のように、バネで他の歯に維持を求めるような形式ではなく、残っている歯に内冠という冠を被せ、義歯の内部に作られた外冠と装着時に一体化するような構造になっています。
これによって、義歯と残っているご自身の歯が「一体化した固定装置」となり、補綴物をしっかりと支えることが可能となるのです。
利点
- ものを噛む能力が高く、クラスプ(バネ)が必要ないので見た目も非常に優れている。
- 義歯でも自分の歯に近い感覚でものを食べられます。
- 義歯全体を小さくする事が可能なため違和感が少なくなります。
- 万が一、将来的に残っているご自身の歯がだめになった場合でも、ほとんどの場合、修理で対応することができ、新たに義歯を作製する必要が生じません。また、当院は技工士が常勤しているため、その場で修理等の対応ができます。
- 土台となっている歯は、とてもシンプルな構造になっているため歯磨きもしやすく、清掃性に優れています。したがって、歯周病になりにくく、ご自身の歯が長持ちします。
- 横揺れの力がなくなるため、土台となるご自身の歯の負担がクラスプと比べて遥かに軽くなり、また、虫歯にもなりにくくなるため、ご自身の歯が長持ちします。
- ご自身の歯、1本1本にかかる力が均等化され、歯に無理な力が掛からなくなるため、ご自身の歯が長持ちします。
- 義歯がほとんど動かないので、土台となるご自身の歯のみならず、義歯が直接載っている歯茎や顎の骨が大きくやせることがありません。従って、痛みや違和感がなく、よく噛めて、非常に長期間使うことができます。
欠点
- 土台の歯が健康だったとしても削る必要があります。
- 残念ながら健康保険の適用ができません。
当院のコーヌス義歯の技術とその歴史
当院でのコーヌス義歯システムは、1980年頃からスタートし、当初から「見た目が良い」「機能的にも優れている」という理由から、入れ歯に変わる画期的な方法として行われてきました。
当時は全国的にも広がりを見せていたこの方法ですが、
- 高度な技術が必要だったこと
- 作製できる歯科技工士が少なかったこと
- 作製に莫大な費用が掛かったこと
から扱える歯科医院が減少し、今では全国的にも少数の歯科医院でしか行われない処置となりました。
当院では、技術的な面もさることながら、常勤の技工士との緻密な連携により、より精密で、圧倒的に費用を抑えた形で患者様にコーヌス義歯を提供することに成功しました。
現在に至るまでおよそ30年の長き渡り、コーヌス義歯を作り続け、非常に多くの患者様の喜びの声を頂いております。そのため作製したコーヌス義歯については、ほとんどトラブルを起こすことなく、何十年と愛用されているものがほとんどとなっています。