マウスピース
マウスピースというと、ボクシングなどで使用されているのを想像される方が多いと思いますが、歯科治療でもよく用いられます。
その目的のひとつが歯を守ること。
睡眠中の「歯ぎしり」「食いしばり」の悪影響
日常生活において、さまざまな場面で歯は負担を受けています。その中で最も負担がかかるのが睡眠中で、最近の研究で96%の人は「歯ぎしり」や「食いしばり」をしているという結果が出ています。そしてその力は、起きているときに思いっきり噛みしめる力の6倍といわれています。また、「睡眠中の歯ぎしりを人から指摘されたことがない」は「歯ぎしりしていない」ということではなく、むしろ人に気付かれるような音が出るのはまれなことです。
では、この「歯ぎしり」「食いしばり」によってどのような影響があるのでしょうか。考えられることには以下のような症状があります。
- 歯・・・磨耗、破折、知覚過敏、噛んだ時の痛み、歯髄死、詰め物・被せ物の脱落
- 歯周・・・歯肉炎、歯周炎、歯の位置異常、軟組織への歯の圧痕跡、咀嚼筋の損傷
- 顎関節・・・関節痛、開口障害、関節音、
- 全身・・・頭痛、耳鳴り、首・肩の凝り
もちろんこれらすべてが「歯ぎしり」「食いしばり」からくるものではありませんが、引き金になったり症状を悪化させたりする可能性は十分にあります。
「歯ぎしり」「食いしばり」から歯を守るマウスガード
この「歯ぎしり」「食いしばり」から歯を守るのがマウスピース(ナイトガード)です。上下の歯の間に、ゴムのような軟らかいマウスピース(ナイトガード)を介在させ、歯に直接、力がかからないようにします。
また、「歯ぎしり」や「食いしばり」が強い人では歯の磨耗などの症状が強いだけでなく、左右で噛む位置がずれてしまったり、肩凝りなど身体のゆがみや筋肉の過緊張が認められるため、まずは筋の緊張を緩和し、下顎の適正な位置を模索する必要があります。ナイトガードはそういった面でも改善に役立ちます。
顎関節に症状が出たり、病状がひどいケースではスタビライゼーション型スプリントと言われるもので選択的にメカニカルストレス(歯の負担)を軽減、改善する必要があります。